繊細さんにおすすめの絵本7選

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「繊細さん(HSP)」という言葉が広まり、敏感で豊かな感受性を持つ人々が少しずつそのままの自分を受け入れられるようになってきた昨今。
しかしその一方で、日常の小さな刺激に傷つきやすく、生きづらさを感じている人もまだ多いのが現実です。

そんな繊細さんに、静かに寄り添ってくれる存在が「絵本」です。
子どもだけのものと思われがちな絵本ですが、実はHSPの子どもや大人の心に深く響く、優しく力強いメッセージが詰まっているのです。

この記事では、HSPや繊細さんにとって絵本がどのように心を支えてくれるのかを解説しながら、具体的におすすめの絵本もご紹介します。

HSPと絵本の相性がとても良い3つの理由

1. 感情の繊細さにぴったり寄り添う物語

HSPの人は登場人物の心の動きや表情、物語のちょっとした余白にも敏感に反応します。絵本のように、短くても感情の機微が丁寧に描かれた物語は、過剰な説明がないぶん、読み手自身の感情を重ねやすく、深く共鳴することができます。シンプルだからこそ、心の奥まで届く――それが絵本の大きな魅力です。

2. 情報量が少なく、安心できる

HSPは多くの情報を一度に処理しようとするため、長文の本や複雑な内容に疲れてしまうこともあります。絵本はページ数が少なく、言葉もやさしく厳選されているため、脳や心が過剰に刺激されず、安心して読むことができます。絵や色づかいもやさしく、五感を静かに包み込んでくれる存在です。

3. 読み返すたびに違う感情と出会える

絵本は子ども向けのものと思われがちですが、実は読むたびに新しい感情が引き出される「心の鏡」のような存在です。HSPはその時の心の状態によって感じ方が変わるため、同じ物語でも、喜びや癒し、涙や気づきを何度も味わえます。短い物語の中に、何度でも寄り添ってくれる温かさが詰まっているのです。

繊細な気質の子どもにも、大人にも絵本は効果的

HSPの特徴は子どもにも大人にも共通しています。たとえば――

  • 音や光に敏感で、にぎやかな場所が苦手
  • 人の感情を強く感じ取りやすい
  • 暴力的・攻撃的な表現が苦手
  • 周囲の空気を読むことに疲れやすい
  • すぐに自分を責めてしまう

こうした特性を持つHSPの子どもには、絵本の世界が「心の避難所」になります。
また、大人のHSPにとっても、絵本は疲れた心をそっと包み込んでくれる癒しの存在なのです。

繊細さんにおすすめの絵本7選

ここからは、HSPや繊細さんにぜひ手に取ってほしい絵本を厳選して7冊ご紹介します。どれも“心にやさしく寄り添う”ことをテーマにした作品です。

1. 『わたしのワンピース』にしまきかやこ(こぐま社)

白いワンピースが風にのって空を飛び、不思議な模様に変わっていく…。
イメージが次々に変化する絵と言葉のリズムが、想像力豊かなHSPの感性をくすぐります。自分の世界を大切にしたい繊細さんにぴったりの一冊。

著者:西巻茅子
出版社:こぐま社
ページ数:‎44ページ

2. 『ちいさなあなたへ』アリスン・マギー/ピーター・レイノルズ(主婦の友社)

母から子へ送る深い愛情を描いた絵本。読む人の心をやさしく抱きしめてくれます。感情の波に敏感なHSPの人が読むと、きっと涙があふれてくる一冊です。

著者:アリスン・マギー
出版社: 主婦の友社
ページ数:40ページ
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3. 『あのときすきになったよ』薫くみこ・黒井健(童心社)

誤解やすれ違いを乗り越え、信頼関係を築く物語。人間関係に敏感で悩みがちなHSPにとって、「気持ちはちゃんと伝わる」と教えてくれる、あたたかいお話です。

著者: 薫 くみこ
出版社:教育画劇
ページ数:32ページ
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4. 『りんごかもしれない』ヨシタケシンスケ(ブロンズ新社)

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「これって本当にりんごなの?」という発想から始まる空想の世界。HSPが持つ“深く考えすぎるクセ”を、面白くポジティブに描いた作品。肩の力を抜いて笑いたいときにおすすめ。

著者:ヨシタケシンスケ
出版社:ブロンズ新社
ページ数:32ページ
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5. 『ぼく モグラ キツネ 馬』チャーリー・マッケジー(飛鳥新社)

優しさ、勇気、友情について静かに語る哲学的な絵本。全編を通して語られる言葉が、まるで心に語りかけるよう。大人の繊細さんに特に読んでほしい一冊。

著者:チャーリー・マッケジー
出版社:飛鳥新社
ページ数:128ページ
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6. 『ちいさなトガリネズミ』みやこしあきこ(偕成社)

静かなことが取り柄の主人公が、周りに少しずつ受け入れられていく過程を描く物語。「声が小さい」「目立てない」と感じているHSPの子どもに、自信を与えてくれる絵本です。

著者:みやこしあきこ 
出版社:偕成社
ページ数:71ページ
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7. 『いるの いないの』京極夏彦・町田尚子(岩崎書店)

ちょっと怖くて、でも切なくて、静けさの中に不思議な気配を感じる物語。五感に敏感なHSPだからこそ、物語の“空気”をより深く味わえるタイプの作品です。

著者:京極 夏彦
出版社:岩崎書店
ページ数:32ページ
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HSPの暮らしに絵本を取り入れる5つの方法とその恩恵

1. 就寝前に読むと気持ちが落ち着き、眠りの質が上がる

夜、頭が冴えて眠れないときや、不安な気持ちがざわつくとき。そんな夜に、スマホではなく一冊の絵本を開いてみてください。
やさしい絵と静かな物語が、繊細に張りつめていた感覚をほぐし、自然と心を落ち着けてくれます。絵本を読むことで副交感神経が優位になり、安心して眠りに入れるようになり、睡眠の質が改善されやすくなります。

2. 悩みがあるときに開くと、気づきや癒しが得られる

心がざわついているとき、絵本を一冊手に取るだけで、気持ちが整理されていくことがあります。
登場人物の気持ちが自分と重なったり、物語の展開にハッとしたり。まるで静かなカウンセリングを受けているように、言葉にならなかった思いがゆっくりとほどけていきます。
HSPの人にとってこれは、自分の感情を受け止め直す癒しと再出発の時間になります。

3. 家族や友人と読むと、感情の共有がスムーズになる

「自分の気持ちをうまく伝えられない」「口に出すのが苦手」そんなHSPの人にとって、絵本は感情の通訳者になってくれます。
一緒に読んだ物語の中の言葉やキャラクターを通じて、「これ、私にも当てはまるかも」と自然に気持ちを共有できるのです。
コミュニケーションのきっかけができることで、家族や友人との関係が少しずつあたたかく、柔らかいものになっていきます。

4. 一人で読む時間が、心のメンテナンスになる

何も言わず、何も求めてこない絵本は、HSPにとって最良の“ひとり時間のパートナー”です。
人間関係や日常生活で疲れたとき、ただ静かに絵本のページをめくることで、心が少しずつ整っていきます。
「誰にも邪魔されず、やさしい世界にだけ包まれる時間」は、繊細な神経をリセットし、心のメンテナンスとして大きな効果を発揮します。

5. 日常の小さな幸せに気づける感性が育つ

絵本の中には、当たり前の日常にある美しさや優しさが丁寧に描かれています。
HSPの人がそれを読むと、「こんな風に感じていいんだ」「こういうところに心が動くんだ」と、自分の感受性を肯定することができます。
その結果、普段の生活の中でも、小さな幸せや美しい瞬間に気づきやすくなり、自己肯定感と幸福度がじわじわと高まっていきます。

まとめ|絵本は、繊細さんの心を支えてくれる「小さな隠れ家」

HSPや繊細さんにとって、絵本は“ただ読むもの”ではありません。
それは、日々の刺激やプレッシャーから少し離れて、誰にも邪魔されず、自分だけのペースで呼吸ができる「小さな隠れ家」。
感受性が強いからこそ息苦しく感じることもある日常の中で、絵本のページはそっと開かれた休憩所のように、あなたを迎え入れてくれます。

ほんの数分でも、やさしい言葉と絵に包まれる時間は、心の奥に静かな安心感を与えてくれます。
疲れたとき、戸惑ったとき、どんなときでも、絵本はあなたのそばにいてくれるはずです。

あなたにとって、そっと心を包んでくれる一冊と出会えますように。
絵本は、いつだってどんなあなたも待っています。

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